僕だけがいない街 5巻 三部けい 犯人は
カバーイラストには加代ちゃんが!
母親からのDVからも、連続誘拐殺人事件からも救う事ができた…ハズの、加代ちゃんの笑顔がそこに。
何年も犯罪を重ねる犯人が捕まっていないので、これでもう彼女はもう大丈夫ですよね!と言えない現状ですが、はてはてふむー
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僕だけがいない街 5巻
第5巻収録話 |
カバーイラストではチャーミーグリーンのCMを彷彿させるほど、加代ちゃんと手をつなぎまくっている悟。
チャーミーグリーンが発売されたのが1982年らしいですから、1988年に無性に手をつなぎたくなってしまうのも仕方の無い事かもしれません。
鉛筆握っている時間よりもファミコンのコントローラー握っている時間が長かった時期にくそう。ウチも手肌をいたわっていればよかった。
かと思えば、ページをめくると愛梨の夢をみて妙な手つきをしながら目を覚ます悟の姿がそこに。気が多い大人だなあ。
加代ちゃんを救ったあとも時間が戻らない今回。悟は11歳のまま人生が進行。
初期の「リバイバル」が、巻き戻ったところから人生の再スタートだったので、一応ここまでは上手くいってる…のかな?と考える悟。
しかし真犯人がこれで諦めたハズがない。長い間、身代わりの容疑者を用意しては犯罪を続けていた筋金入りです。
クラスメートの加代ちゃんを一時的に?救うことはできたけど、これで終わりじゃ無いと気を引き締めた悟の戦いは続きます。
自分も今は11歳のひ弱な少年であることも忘れて。
ケンヤくんの父親は弁護士をやっていて、1986年9月に北海道C市で起こった女子児童殺害事件の犯人にされてしまったその子の父親を弁護中だとか。
ケンヤくんは、娘を殺された父親を容疑者にした真犯人を許せない正義の11歳。引き続き神妙な面持ちの悟に協力は惜しみません。
ケンヤくんの1986年の事件の話で、「練炭」がひっかかった悟。
確認のため加代ちゃんを匿ったバスを訪れてみると、真犯人?が置いていった荷物が無い。
1986年に起こった殺人事件の真犯人がこの街にいて、再び犯行を企ててると考えた悟は、第2の犠牲者予定・中西彩との接触を試みます。
ユウキに彩ちゃんのことを聞いてみれば、悟の通っている美琴小学校の隣り、加代ちゃんを匿ったあのバスがある泉水小学校の子ということをご存知済み。
ユウキは寂しそうにひとりでいる子についつい声をかけてしまう性質らしいですが、これは真犯人から身代わりの容疑者として大抜擢されてしまうワケだわぁ
ユウキ情報によれば、彩ちゃんはエレクトーン教室終わりの午後4時から学習塾の始まる午後5時までの間、悟たちのアジトの対岸になる公園でよくひとりでいるらしい。
ひとり外でいる時間が長い。というところは加代ちゃんのパターンに近い。
さっそく隣りの小学校の彩ちゃんと友達になろう作戦開始。
今回は外見が女の子っぽいのが特徴のヒロミくんも尾行とかに参加したり。ヒロミくんは登場するごとに見た目の女子っぽさがUPしているような…
ケンヤくんとヒロミくんが帰ったあとも、彩ちゃんの自宅を知るために悟は引き続き尾行。
しかし買い物帰りのカーチャン、そして八代先生とばったり遭遇してしまった悟は尾行を諦め、八代先生の車で帰宅。
車の中で知らない女の子へのアプローチを八代先生からご教授いただく悟。
一度手痛い失敗してから結婚から遠ざかっているらしい八代先生が言うことにゃ、まず警戒心を解くことらしい。
ポジティブな言い方に換えると「自分をアピールする」。ほほぅ。
そういや八代先生は、小学生が接しやすそうな小学校の先生をやっていらっしゃいますね。
そして先生の車のグローブボックスには、子供が好きそうな飴がいっぱい。ほほぅ。
そういや真犯人はカーチャンが知ってる人物でしたなぁ。ほほぅ。
私は助手席の前にあるパカッと開くアレをずっと「ダッシュボード」だと思ってましたけど、正しくは「グローブボックス」らしいですね!
もともとグローブを入れるところだったかららしいっすよ? ほほぅ。
無事、自宅について八代先生にお礼をいう悟・佐知子親子。
―――この時は気づいていなかった この日のみんなの言葉や行動には
―――事件に関わる多くの「ヒント」が散りばめられていたことに。
なんで気がつかないんや!?
いや、でも、アレですわ。
初めからちょぉおっと怪しかったですけど、こんなあけすけに散りばめられたら逆に、ね? 違うんじゃ無いですかね? みたいなー
気を取り直して八代先生にご教授いただいたとおり、まずは彩ちゃんの警戒心を解くところから開始の悟・ケンヤ・ヒロミの三人衆。
しかし彩ちゃんやってる音楽、読んでる小説がレベル高すぎて、若い男子たちがついていけない。
ケンヤくんで無理ならもう絶望的って状況でしたが、ヒロミくんがシェイクスピアをご存知だった為、同じ塾でもないのに違う学校の女の子とお友達になりたいという結構難易度高そなミッションをギリギリ成功。
続いて悟たちの後をつけてきたカズくんのごっちゃんゴールにより、彩ちゃんを悟たちのアジトにご招待することに成功。
これにより彩ちゃんのひとりの時間を無くし、またひとつ誘拐事件を未然に防ぐ事が成功?したのでした。
あと加代ちゃんがバス通学で美琴小学校に復帰。
うれしさのあまり道路を飛び出してトラックに轢かれそうになる悟(中身29歳)の図。
女子児童がひとりの時を狙う不届き千万な真犯人。
悟29歳の時代に犠牲になってしまった子たちを立て続けに救う事ができたものの、これで真犯人を見つける手がかりが掴みにくくなりました。
なんせ次は誰を狙うのか分からないのです。
お久しぶりの加代ちゃんと軽くのろけたあとは、家に来ていた若き日の澤田と深刻なお時間。
澤田はケンヤくんが言ってた1986年の事件の真犯人を追ってこの街にきたやけに勘が鋭い男。
そしてこの街に奴(真犯人)が居るとしたら、そう遠くない日に必ずこの街で事件が起こる。と澤田は確信しており、悟もその話を聞いて改めて使命感を熱く燃え上がらせるのでした。
悟はあまり熱くなると自作スタンガンで階段途中の女性を強襲しようとしたり、女の子に駆け寄ろうと道路を飛び出してトラックに轢かれ賭ける29歳なので、この暖まり方はちょっと危ない兆候です。何も起こらなければいいのですが…
澤田の推論では、真犯人の年齢は20代後半から30代、ルックスは他人に不快感を与えない。などなど。ほほぅ。
もうやっぱり“あの人”なんじゃね?って感じですがー… いやいやまだまだ。まだ分かりませんぞぉ~?
悟のクラスは今、給食費を盗んだのは加代ちゃんだわ!と騒いでみたものの、悟とケンヤの二大巨頭に阻まれ、逆に加代ちゃんを給食費ドロボーに仕立て上げた女という不名誉なキャッチフレーズがくっついて離れないでいる美里ちゃんが孤立状態。
女子児童が孤立。これはいけません、我らが悟の出番です。
さっそく真犯人が美里をターゲットにすると考えた悟は、母校のアイスホッケー部の試合をひとりで観戦しに行っている美里のあとを追います。
しかしアッコちゃんのことを含めると計3回も誘拐を阻止した悟は、真犯人にとって完全な邪魔者になっていることに気が付かなかったー!
試合会場のトイレから戻ってこない美里。
トイレある通路の先の搬出入り口の扉が開いてて、扉をくぐってみたら一台のトラックが走り去っている最中。
トラックには「白鳥食品」と書かれており、ユウキの家のものだとすぐ分かった悟。
コレは一体?
この状況をよく考えようと努めていた悟でしたが、生徒を応援しに来ていた八代先生に声をかけられナイスタイミング!
とにかくあとを追いかけて確認しなきゃと焦った悟は事情を説明して八代先生の車に乗り、二人でトラックを追跡。
…が、八代先生との話の途中、飴を取ろうと悟がグローブボックスを開けたところ、でてきたのは下剤。
僕だけがいない街 5
三部けい(著)
瞬時になにか察した悟。
「ありがとう悟 でも飴入ってないんだ だって…」
―――これ僕の車じゃないんだ。
本性をあらわしたような笑顔の八代先生。愕然としている悟。
といったところで次回です。